機械反乱編 イザベル視点3
イザベル視点
《7章 連番個体》
あらすじ
感知した信号を追ったテトラは、ルナを連れて戻ってきた。イザベルはルナがテトラの連番個体、妹に当たる存在と行動を共にしていることを知る。
イザベル
「はぁっ!」
「……ふぅ。もう安全かしら?」
「なら……内部構造を調べてみようかしら……」
テトラ
「おぞらく、これらは揺らぎが発生しないよう制御された個体です。なので、揺らぎが起こることはまずありません」
イザベル
「……まぁ、ベルフォメットが造ってるんだものね」
テトラ
「肯定します。ですが、絶対ではありません。心とはランダムなものですから」
イザベル
「……」
「……あまり、気分が乗らないわね」
(……生物を解体するのなら、気にもならないんだけど。人間になったかもしれないものだって、考えると……その可能性を摘み取ってるみたいで……)
「少しだけ…可哀想」
テトラ
「……イザベル。お待たせしました」
イザベル
「お帰りなさい」
ルナ
「……お姉さん?」
イザベル
「ル、ルナちゃん!?」
マンマル1号
「うワ!もしかしテ、ルナの友達?」
イザベル
「……」
(まんまるいわ……)
ルナ
「違うよ。お姉さんは、ルナの……なかま、だよ」
テトラ
「マンマル1号の信号と共にいたのは、彼女、ルナでした。機械歩兵と交戦中でしたが、問題なくお連れすることが出来ました」
イザベル
「そうだったのね……」
(ユアン、ルナちゃん、ユリアス・フォルモンド……テトラの言葉が正しければ、この世界に来れたのはこれで全員ね)
イザベル
「……ルナちゃん、大丈夫?怪我はない?」
ルナ
「……うん、平気だよ。あのね、ルナ……機械のお姉さんとお話ししたいの」
イザベル
「……テトラと?」
ルナ
「うん。ルナね、あの子とトンネル作って遊んだんだ。冒険ごっこもしたよ。あの子と、あとガシャガシャと」
イザベル
「……」
テトラ
「……あの子とは、私の妹、エンネアのことでしょう。ガシャガシャ、と称する個体はこの世界には居ませんが……」
マンマル1号
「んン?」
テトラ
「……おそらくは、彼のことかと」
イザベル
「なるほどね」
テトラ
「ルナ、私と何が話したいのですか?」
ルナ
「えっとね……。スクラップ山の、あの子のことなの」
テトラ
「――なるほど。つまり、なぜ私とエンネアが離れた場所に居るのか。どうして会ってはいけないのか、それを聞きたいのですね」
ルナ
「うん……。ねぇ、どうして?」
テトラ
「……エンネアは、私たちの中では最も優れた才能を持つ、最新型です」